50MHzEME月面反射通信


6mEMEに挑戦するきっかけ

電波を月で反射させて海外の人と交信する、ロマンあふれる事のように聞こえます。しかし一筋縄ではいかない高度な通信方法であることがわかりました。50MHzのEMEで1stQSOに至るまでのことを記しました。

EME(Earth-Moon-Earth)…月面反射通信は私にとっては大変敷居の高い楽しみ方と考えていました。大きなパラボラアンテナや16パラのスタック、VHFやUHF帯での500W出力、そして究極を目指した受信設備…一生縁が無いかと思っていたのですが50MHz帯で2004年1月13日からバンドプランが改正され日本での6mEME月面反射通信が可能となりました。それを期に私も50MHzで1kWの免許をしばらくして許可されましたので一度はチャレンジしようと思い、ほどほどの設備でも交信可能と言われているJT65AというデジタルモードでQRV可能なWSJTというソフトをパソコンにインストールし、送受信可能な状態にはしました。しかしデジタルモードに対する興味が薄いこと、スケジュールQSOに対する抵抗、ノウハウの無さ…結局そのときは電波を出すことも無く立ち消えしてしまいました。

スーパームーン(2014年7月13日撮影)

スーパームーン(2014年7月13日撮影)

その後2005年6月にWやEUのチャットにloginしていると幾度か外国局にJT65AというモードでEMEにtryしてほしいということを言われ、なれない操作でチャレンジしました。しかしいずれの局も信号のかけらもデコードできず、少々悔しい思いをしました。とどめは同時期にWがEsマルチホップでオープンしそうなとき、チャットでJH2COZ局がKE7V局にJT65AでEMEにtryしてみようと言って、その直後からはじめたらなんとすぐにQSO成立してしまったのを目の当たりにしたことでした。ここ日本では月の仰角は70度!!…真上に近い状態です。6mの八木アンテナが真上に近い方角を向いていることを想像したらなんとも新鮮に思えました。その後、自分の設備の回線計算(回線設計)をしたり、6mEMEの実績のある局にもアドバイスをいただき、あらためてチャレンジしようという気になりました。また自分の回線計算をした上で送受信設備の見直しも可能な範囲でやってみようという気にもなりました。というのも通常の電離層を利用した交信の際にも有利(良く聞こえ良く飛ぶ?)になるということを期待したからです。

電波が月に反射して戻ってくるとどのくらい減衰するか…伝播損失の計算

月は地球から約38万km離れています。通常電離層の反射で遠距離通信をするといっても電離層まではたかだか数百kmですからいかに離れているかというのがわかると思います。そんなに離れている月で自分の電波が反射して戻ってくると往復でどのくらい減衰してしまうのか計算してみました。下の式(1)で往復の減衰量Γ(dB)が計算できます。

往復の減衰量Γを求める式

往復の減衰量Γを求める式(1)(単位:dB)

  • Γ:減衰量(dB)
  • η:月の反射効率 0.07(7%)
  • λ:波長(m) (波長=300/周波数(MHz))
  • D:月の直径 3,476,000m(3476km)
  • d:月までの距離 384,400,000m(384,400km)

式(1)で周波数を50.1MHzとして計算すると減衰量Γは-242.6dBにもなります。月までの距離dは月が若干楕円軌道を描いているため(356,000km~407,000km)減衰量はおよそ-243.6~-241.3dBの範囲で変化します。また6mでは電離層の通過時の損失などもありますのでさらに減衰することになります。この減衰量は1kW(60dBm)の電力が-182.6dBmというごく僅かな電力になってしまうということです。

回線設計

EMEのための接続構成

EMEのための接続構成

上の図が2005年6月現在の設備です。プリアンプ、仰角ローターなどの特別なものは一切ありません。回線設計というと大げさに聞こえるかもしれませんが、この設備で月に反射させてそれを受信する(エコー)場合、どのくらいの信号レベルになるかを計算してみました。計算に必要な数値は次の通りです。送受信の設備は同じものですが、あえて送信用アンテナと受信用アンテナ、送信用同軸と受信用同軸などを分けています。

項目 数値 備考
1 送信電力 +60dBm 1kW ※1
2 送信用同軸ケーブル損失 0.78dB 12DSFAを50m(15.5dB/kmより) ※2
3 送信用アンテナの絶対利得 15.0dBi CD社CL6DXZ(8ELEシングル、ブーム長9.3m) ※3
4 コネクタ損失 0.1dB
5 伝播損失 242.6dB 上述より
6 コネクタ損失 0.1dB
7 受信用アンテナの絶対利得 15.0dBi CD社CL6DXZ(8ELEシングル、ブーム長9.3m) ※3
8 受信用同軸ケーブル損失 0.78dB 12DSFAを50m(15.5dB/km) ※2
9 アンテナ雑音温度TA 5000K ※4
10 受信機のNF 10dB ※5
11 受信帯域幅 100Hz フィルタの帯域幅
  • ※1 1項はW(ワット)を計算しやすいようにdBmに変換した値を入れます。dBmはWを幅広い範囲であらわせるように対数変換したものです。0dBm=1mWを基準として
    +10dBm=10mW
    +20dBm=100mW
    -10dBm=0.1mW
    などのようになります。ちなみに500Wなら+57dBm、200Wなら53dBm、100Wなら50dBmになります。
    WをdBmに変換するには10×log(P/1×10-3) (dBm)を用います。(PがWであらわす電力です)
  • ※2 同軸ケーブル損失はメーカーカタログやwebで100mや1kmあたりの損失を出していますので、自分の使用している長さとの比をその損失に乗じて値を決めます。実際には40mの12DSFAに数mの10D2Vを延長してますので50mとして値をいれました。
  • ※3 アンテナ利得はダイポールアンテナ比ではなく、絶対利得dBiを使います。アンテナシミュレーションソフトMMANAでCL6DXZを私の地上高でシミュレーションしました。それによると18dBi程度が算出されましたが、取扱説明書の値15dBiの数値を使用しました。(3dBの違いの要因がわからないため)
  • ※4 太陽や銀河からの宇宙雑音、大地の熱雑音、人工雑音などをアンテナで拾ってしまうことを表したもので、温度(ケルビン(K)という単位)で示します。低いほど良い数値です。正確な数値を得るのは計算が大変難しいので暫定値です。一般にはアンテナのビームパターンを綺麗にする(サイドローブ、バックローブを減らす、ビームパターンを鋭くするなど)ことがアンテナ雑音温度を下げる手段のようです。
  • ※5 受信機内で発生する雑音の度合いを示す値です。小さい値ほど弱い信号が受信できるつまり良いということです。正確な測定には絶対値のわかるノイズソース(広帯域に渡って発生するノイズ源)を用いて測定します。ということで測定器が無いので上の値も暫定値です。

上の表が埋まったら次のように計算して、自分の出した電波のエコーがどのくらいのS/Nで受信できるかを計算します。受信機のNFを等価雑音温度TRになおします。次の(2)式で計算します。

TR=(NF-1)×290 (K)………(2)

NF=10dBつまり真数では10倍ですのでTR=2610Kとなります。(NF=3dBなら2倍なので2を代入)アンテナ雑音温度TAは上の表より5000Kですので雑音電力の和TS

TS=TR+TA=2610+5000=7610 (K)

となります。この値を雑音電力PNに換算するためには

  • kはボルツマン定数(1.38×10-23W/Hz)
  • Bは受信帯域幅(Hz)として kTSB (W)

として

1.38×10-23×7610×100=1.05×10-16(W)

つまりPN=-129.8dBmとなります。

上の表で1項から8項までで受信機に入力される信号レベルPi(dBm)になりますので

Pi=60+15.0-0.1-242.6-0.1+15.0-0.78=-153.58(dBm)

よって月面反射波の自分のエコーでのS/Nは

N=Pi-PN=-153.58-(-129.8)=-23.78(dB)

ということになります。

通常トランシーバーでSSBなどの感度を示す基準はS+N/Nが10dB(ノイズフロアレベルより10dB高い信号)となっていますので、-23dBという数値は大変低い(ノイズレベル以下で耳では聞こえない)レベルです。

長々と面倒な計算をし、上記の結果を得たわけですがもう少しS/N比をあげないと前述の計算結果は最悪値ではなく最良値ですので実際にはさらにS/N比は悪くなる可能性が大きいわけです。上の表で現実問題として改善の余地があるのは3項と7項のアンテナ利得、9項のアンテナ雑音温度、10項のNFくらいでしょう。

但し前述のS/Nが-23.78dBというのはあくまでも自分の出した電波を自分の設備で受信する場合の数値です。実際には相手があってのQSOですので、相手の設備が優れていればそれに助けられる形でQSOが可能になることもあると思います。

この長々と行った計算は、ソフトのWSJTのmodeでEchoを選んだ画面の左下のEME Calcというボタンがあり、それで開いたウインドウに数値を入力することで簡単に得られます。(下の画面)

WSJTのmodeでEchoを選んだ画面の左下のEME Calc結果

WSJTのmodeでEchoを選んだ画面の左下のEME Calc結果

前述の表に出てこない値として、Ground gain(dB)とSidelobe noise(K)、それとTsky(K)というのがあります。

Ground Gainというのはアンテナから輻射された電波あるいは受信時の電波がアンテナで直接受ける以外に、大地で反射してアンテナで受ける分の利得ということになりますが、大地の状態(海だったり乾いた土地だったり)で変わりますが概ね3~5dBを入力すれば良いようです。但しアンテナに仰角をつけるとこの大地利得は期待できなくなります。

Sidelobe noiseとTskyは前述の表でいうところのアンテナ雑音温度TAになります。Sidelobe noiseはアンテナのパターンによるものでサイドローブやバックローブが少なければ小さな値になります。これはどのくらいの数値が適切かは難しいのでとりあえず500~1000Kくらいを入力しておきます。Tskyは上の画面で「Now」というボタンがありますが、これを押すとそのときの宇宙雑音が自動で入力されます。ということはEMEにtryする直前にこの画面でS/Nを計算させればQSO成立の可否がある程度わかるかもしれません。

これらを入力してComputeというボタンを押すとEchoのS/Nが計算されて表示されます。前述の表では帯域幅を100Hzとしていますが上の画面では2500Hzと50Hzの2つでの計算結果が得られます。また見ての通り2ステーションの入力ができ、自分の設備の特性とQSO相手の設備の特性を入力することでお互いの受信レベル(S/N)も計算されます。

TCXO(高安定水晶発振器)の必要性

JT65Aモードで交信するための基本に、周波数が安定していること、パソコンの時間設定が秒単位で正しいことが言われています。パソコンの時間設定は私はサクラウオッチというフリーソフトを入れて自動で秒単位まで合わせていましたが、Windows XP以降は定期的にサーバーにアクセスしてPCの時間を自動で合わせるようになっていますので、現在は気にしていません。周波数の安定に関しては最近のトランシーバーですので、まあ気にしなくて良いようです。ですが念のため調べてみました。

私の使っているFT-1000MPmkVはカタログスペック上では2ppm以下(0℃~50℃)となっています。オプションのTCXO-6を搭載すると0.5ppm以下(0℃~50℃)という安定度です。といっても別な局部発振器もありますので実際の送受信がこのスペックになるということではありませんが十分な安定度だと思います。(下手な測定器より安定かも?)

ところが50MHzにQRVするにはFTV-1000というトランスバーター(下の図)が必要になります。ここにも下の図の黄色部分のとおり局部発振器があります。50MHz-28MHz=22MHzです。この22MHzが不安定だといくら親機の周波数が安定でも50MHzの送受信周波数は不安定ということになります。測定しても良いのですが、校正された周波数カウンターも無いのでWDXCに調べてもらったところFTV-1000の22MHzの局発は±7ppm~±10ppm程度(0℃~50℃)であり、トータル(FT-1000MPmkVを含めて)で±9ppm~±12ppmになるという回答をもらいました。(親機の局部発振器が1個忘れられているような気もしますが)12ppmというと50MHzでは600Hzになります。

FTV1000 blockdiagram

FTV1000 blockdiagram

ですが通常屋内で使う場合温度が何十℃も変化することもありませんので初期ドリフト以降は気にするレベルではないのでしょう。こういう点を考えるとFT-920やIC-756pro2or3などの50MHzも内蔵されたトランシーバーのほうがかえって周波数安定度は高いということになります。

アンテナなどを変更

2005年9月5日に今まで頑張ってくれたクリエイトデザインのCL6DXZ(8ELE)を同社のCL610A(10ELE)に変更し、仰角ローテータも取り付けHFの八木があるため仰角90度は無理として45度まで上を向くようにしました。その結果月にアンテナを向けていられる時間が長くなり、連日Echoモードで月に電波をぶつけてました。下の写真でelevationは約40度です。

50MHz10エレの仰角40度の様子

50MHz10エレの仰角40度の様子

何を変更したかというと、下記の通りです。

50MHz EMEのための変更内容

50MHz EMEのための変更内容

  1. アンテナをCL6DXZ(8エレ八木)からCL610A(10エレ八木)に変更
  2. アンテナに仰角ローター(クリエイトデザインのERC5A)を追加
  3. アンテナ地上高を最高26mから最高23mに下げた(ブームステーとバランス(強度)の関係上)
  4. アンテナ給電部から10m長の同軸(12DSFA)を介して直下型プリアンプの増設
  5. コモンモードフィルタからアンテナ間に同軸10D2Vを2m入れていたものを外した

以上の5点です。この中で前述のS/N比に影響を与える(良くする)部分は1項と4項でしょう。その他は良い悪いにしろ影響は少ないとみました。ただ今までより大きなアンテナをあげること、仰角ローターを設置など、経験ないこともあり、アンテナ工事を請け負っていただいたFTI社に事前に強度的な問題等を何度も相談し、アドバイスをいただきました。

アンテナ

アンテナについては大変迷いました。当初次サイクルを見込んで2×8ELE(1λ間隔)を検討していたのですが、HFの八木をおろさなければならないということ、また仰角ローターで6mのアンテナを上に向けてみたいという希望があり、結局使っていた8ELEを10ELEに変更し、仰角ローターを追加しました。

同軸ケーブル

同軸ケーブルの損失が影響することは明白ですので極力損失の少ないものを選ぶのが良いと考えました。もともと復活してタワーを建てた時点でフジクラの12DSFAという同軸を選定しており、今回の変更では同軸ケーブルはそのまま使用しました。

12DSFAは結構太い直径で低損失型ですがそれでも15.5dB/kmという損失ですので、50m引けば約0.8dBの損失になります。0.8dBということは17%程度の電力が同軸で熱となって失われる損失です。1kW入力しても170Wは同軸で熱になり、アンテナに給電されるのは830Wということです。

ならばもっと太くて低損失のものを使えばということになりますが、クランクアップタワーの弱みでもある、タワーの伸縮のため同軸をタワーに固定できない(ケーブルガイドに通す)のでケーブルの自重で切れてしまう…そしてローテータの回転のためにストレスがかかり、内部が折れてしまうということもあります。このような点を踏まえると12DSFAが入手性からもBest(ギリギリ)ではないかと考えます。

他にも低損失をうたった同軸の種類は沢山ありますので下表に一例を示します。低損失のものは探すと大変色々あることがわかりましたが、これらの用途は主に放送やプロ通信局のタワーに固定される(ローテータも当然ない)ことを意図して作られたものがほとんどで、曲げ伸ばしというより小さな曲げに対してどこまでインピーダンスが乱れないか、そして何より耐候性を重視しているようです。またケーブルテレビの配線用としても低損失が求められており、需要があるようです。但し値段は相当高いです。

型式 メーカ 50MHz損失
(dB/km)
外径
(mm)
備考
12DSFA フジクラ 15.5 15.6mm 私が使っている同軸
10DSFA フジクラ 20.0 13.1mm
8DSFA フジクラ 26.0 11.2mm
15D5AF フジクラ 13.5 19.5mm 外部導体はアルミパイプ
11D5AF フジクラ 17.0 15.3mm 外部導体はアルミパイプ
LMR600 Times Microwave Systems 17.9 14.99mm
LMR900 Times Microwave Systems 12.3 22.10mm
LMR1200 Times Microwave Systems 8.9 30.48mm

※Times Microwave Systems社のLMRシリーズ同軸はアメリカでは有名なようで、ペディションなどで使われることもあるようです。さらにAndrewというメーカーからも多くの種類の同軸が販売されているようですが、こちらは高価なようです。

プリアンプ

今回私自身では初めてですが、アンテナ直下にプリアンプを入れることにしました。同軸の損失は1dB程度ですので劇的な効果は期待していませんがその1dBを補うことは間違いありません。また、コモンモードフィルタの通過損失、リニアアンプの内部配線やリレーなどのロスも含め補うことになります。NFが優れたもの、そして送受信切替のリレーが1kW連続でもつようなものを検討しました。

その結果、工事を請け負っていただいたFTI社からの紹介でウエストパークというリニアなども手がける会社からプリアンプを購入しました。同軸リレーには東洋通商のCZX-3500が使用されています。

仰角ローター

V・U・SHFでEMEや衛星通信を楽しんでいるかたには馴染みがあると思いますが、6mでは打ち上げ角の議論はされるもののEMEや衛星通信をやるひとも少なく、あまり馴染みがないようです。私もその一人でしたが今回月の出、月の入以外の時間でもEMEにトライできたらという思いと、F2層あるいはEsなどの伝播でアンテナの仰角が良い方向に働くかどうかを試してみたいという思いで仰角ローターを設置することにしました。

アンテナはクリエイトデザインのCL610Aという10ELE八木でブーム長は13.1m、重量17kgということで私個人の使ってきたアンテナの中では過去最大です。ということもあり、推奨仰角ローターも何が良いのかわからずFTI殿に相談の上、クリエイトデザインのERC5Aという大型アンテナ用仰角ローターの中古を購入しました。偏波面の回転だけなら中型用仰角ローターERC51でも良いとのことですが、CL610Aを水平偏波の状態で仰角を上下するためには力不足ではないかとのことでした。ちなみに東西南北の回転用のローターはRC5A-3を従来どおりそのまま使用します。

強化マスト

マストは従来60mm径で長さ6mのパイプをマストに使用していましたが、今回長さ8.5mの特注マストをFTI殿に手配してもらい、交換しました。今回のアンテナでは必要ではなかったのですが、次期サイクルで50MHzの8ELEスタック(上下)を6m(1λ)間隔であげるための下準備ということで交換しました。構造は従来のマストの内側にマストを挿入し2重構造とした上で、延長分をマストにあけた穴を使用してボルトナットにて固定するというタイプです。重さは相当なものです。タワートップとロータ間は僅か1.5m程度ですので、タワートップから伸びたマストは6.5m以上になります。ちょっとバランス的に怖いかなという感じも否めないのですが、十分な曲げに対する強度があるとの事なので、様子をみようと思います。

自分のエコー

2005年9月22日の月の出でようやく下のWSJTの画面のとおりEchoが受信できたようです。120回目あたりからQ(クオリティ)が1になり200回を越えたあたりで3までいきました。出力は1kWです。

WSJT画面:やっとエコーを捕らえた

WSJT画面:やっとエコーを捕らえた

次の日の2005年9月23日の月の出ではさらにcondxが良く、数回目ではっきりとechoを捉えました。前日とは随分違います。相手は同じ月なんですが、色々な条件があるのでしょう…。下のecho画面がそのFBな時のものです。

WSJT画面:簡単にエコーを捕らえた

WSJT画面:簡単にエコーを捕らえた

そのときのスペクトランでは自分のechoが比較的良く見えています。さらにヘッドホンからは自分が受信に戻った瞬間「ポッー」という音を聞くことができました。自分の送信したキャリアの音かもしれません…。下のがスペクトランの絵です。白色の明るい部分の右側上に細い白線がありますが、それが月から戻った自分の信号です。ちょっと感激してしまいました。

スペクトランでも自分のエコーをはっきりと捕えている

スペクトランでも自分のエコーをはっきりと捕えている

50MHzEMEによる1stQSO

前項のEcho受信から1日経った2005年9月24日にW7GJ Lanceさんとスケジュールを組み、無事JT65AモードでQSOできました。当初W7GJ局からは今日はコンディションが悪い、と言われたのですが月の出の直前くらいからW7GJ局のところではデコードできていたとのことで大変驚きました。私のところも月の出と同時くらいからW7GJ局の信号がデコードでき、その後W7GJ局から送られてきたROの信号は下のようにスペクトランで輝線として認識できるくらい強力になりました。

W7GJからの信号も捕らえているWSJT画面

W7GJからの信号も捕らえているWSJT画面

EMEチャットではW7GJ局が次のように書き込んでくれていました。

132100 3 -29
92 27 RRR My pleasure, Yoshi! I was very surprised! Your best was -21 dB!

VY FB Yoshi! I decoded you several times before your moon was at zero degrees elevation 🙂
Yoshi – G4PCI also copied you at -25 dB with his single 6 el yagi!

私のところでは-24dBが最大信号強度でした。慌てていたのでデータの保存も出来ておらず、ちょっと悔しい思いです…おまけにオペレート中もRRRを送るところをROを送ったり、かなり慌ててました。

1stQSOはかろうじてというより十分QSOが堪能できた感じでしたが、上にもあるとおりW7GJ LanceさんからはG4PCI局のところでも私の信号が6ELE八木で-25dBでデコードできていたということで2度ビックリです。

6mEMEのQSLライブラリー

  • 1stQSO : W7GJ (24 Sep. 2005)
W7GJから届いたQSL

W7GJから届いたQSL

Special thanks

JM1IGJ局、JM1SZY局、JN1JFC局、JG2BRI局、W7GJ局

参考文献・参考サイト

  • ハムジャーナルNo.37(CQ出版社)特集 月面反射通信にみるアマチュア技術
  • 電波伝搬ハンドブック(CQ出版社)
  • 月刊59誌2003年10月号~2004年3月号 World VHF News
  • CQ ham radio2004年3月号(CQ出版社) 50MHzのEME通信解禁 JM1SZY局
  • W7GJ局HP
  • WSJTサイト
  • K1JT局(WSJT)HP

履歴

  • 2005/08/07 ページ作成
  • 2005/08/21 Echo画面を変更
  • 2005/09/22 「アンテナなどを変更」を追加、Echo画面を変更
  • 2005/09/23 echoとpectranのecho受信時のキャプチャーしたものを追加
  • 2005/09/25 「1stQSO」を追加
  • 2005/10/28 6mEMEのQSLライブラリーを追加(W7GJ局のQSL)、K1JT局HPをリンクに追加