初めてのタワー、22mHクランクアップ

初めてのタワー建築記


復活するならタワーを建てて…

2003年5月に長年の夢だったタワーを建てました。長年無線から遠ざかっていたのですが、たびたびもらう友人のからのメールで無線に関することが気になりだし、CQ誌2002年10月号(タワー建設が特集されています)を読み返したのが発端となり、タワーを建てて無線に復活することにしました。

うちにはタワーが建てられるの?

庭が狭い、基礎はうてるの?、家への電灯線が邪魔にならないか、タワー本体の金額はわかるけど工事費はいくら?…いざ建てる意思を持っても次々と不安なことが思い浮かんできました。

悩んでいても進まないので、建てる建てないは別として比較的近いところのFTI社にクランクアップタワーFDX-472Jとアンテナ、同軸ケーブル、ローテータを含めた工事費の見積もりをお願いしました。戻ってきた見積り総額なんと予算大幅オーバーの「しゃくろくじゅうまんえん超え」…。

目が点になりました。しかしかつてルーフタワーとはいえ、かなり大きなアンテナ群を上げていたこともあり、「とりあえず的」な小さなアンテナから再スタートというのは自分自身では納得がいかず、やはり長年の夢だったタワーを建てて再スタートすることにしました。一所懸命働くから…とか、老後も続けられる趣味だから…とか、あらゆる理由を言って妻を説得し、なんとかタワー建築の了承を得ました。見積内容の概略は下の表です。(単位は円です)

タワー本体 958k
タワーコントローラー 138k
マスト60φ6m長 18k
ローテータ、アンテナ類 176k
ロータケーブル、同軸、コネクタ 43k
基礎工事(生コン含む) 178k
残土処理 28k
運搬、建柱工事(ユニック車) 135k
アンテナ組立、取付、配線工事 48k
総額 1,722k

なぜクランクアップタワーを選んだかというと、自立型より基礎に必要な土地が狭くて済むということ、高所でなくてもアンテナの保守が可能であること、強風時に適度な高さまでタワーを縮めることで倒壊の不安から逃れられること、縮めておけば落雷の危険性も減ることがあったからです。

強風時と落雷については近隣宅でも当然気にするはずですので、近所づきあいのためにもなります。もちろん自立型に対してはメンテナンスが頻繁に必要であることなどのデメリットもありますが…。そして妻から承認をもらった後、早速電話で「見積ってもらった内容でお願いします」とお願いしました。数日後FTIの方が朝来てくれました。・・・どこかで見たことあるなぁ・・・と思ったら旧JO1SITの村田さん、10年以上前に何度かアイボールしてます。聞けば私が中学生のときに一緒に移動に行った旧JL1XWGの東海林さんもFTIで頑張っているとのこと。思わぬ再会でした。昔話もそこそこに早速タワーが建つかどうか見てもらうと、全く問題ないとのこと。クレーン車も不要(ユニック車で大丈夫)、基礎も地上では90cm角だけど、穴の中を広げるので問題ない(カーポートのコンクリートを壊さずに済む)とのこと。

下見をしてもらったことで一気に不安が解消されました。あとは工事日程の確認をしてFTIの村田さんは帰られました。下の写真がタワーのスペースです。結構狭いです。

タワーの建つスペース

タワーの建つスペース

あっという間の基礎工事

2週間ほどして、朝FTIの方二名が穴掘りとアンカー、アース棒設置に来ました。なんとその一人が東海林さん。懐かしいです。少しだけ昔話をしました。そして早速穴掘りです。さすがプロ…あっという間に1m程度掘り進んでしまいました。

ひたすら掘ります

ひたすら掘ります

アンカー部分

アンカー部分

アンカーがすっぽり入るほどの深さです

アンカーがすっぽり入るほどの深さです

アンカーの厳密な水平出し

アンカーの厳密な水平出し

そこで2点問題が発生しました。ひとつはタワーを建物のすぐそばに建てるので、家の基礎の出っ張りが邪魔になり、アンカーが入らない、もう一つは1m程度掘り進んだところで大きな石が次々出てきた等々。

しかし問題発生と思ったのは私だけで、そこもプロでした。家の基礎は出っ張り部分を崩して、アンカーを設置したあと、流し込むコンクリートで家の基礎とタワーの基礎を一体化することに、そして石は丁寧に掘る!ということになりました。

その日にFTIさんが手配したミキサー車が到着

その日にFTIさんが手配したミキサー車が到着

ミキサー車からコンクリートを運んで流し込みます

ミキサー車からコンクリートを運んで流し込みます

昼過ぎには穴掘りも終わり、アンカーとアース棒を設置して、FTIが手配していたミキサー車がきて、コンクリート2立方メートルを流して、綺麗に仕上げをして終わりました。残土は2tトラック一杯分でました。これの処理もFTIに依頼済みです。

かなりの量のコンクリートが流し込まれました

かなりの量のコンクリートが流し込まれました

最終的なアンカーの水平出し

最終的なアンカーの水平出し

こてで均してこの日の作業は終了

こてで均してこの日の作業は終了

いよいよタワーを建てるときがやってきました

基礎コンクリートも十分固まり、いよいよタワー建築の日です。基礎工事から8日後です。少し小雨が降っていました。午前9時ごろタワーを積んだトラックが家の前に横付けされました。…お、大きい。

運ばれてきたタワー

運ばれてきたタワー

マストやローテータを取り付け

マストやローテータを取り付け

事前に向かいと両隣のお宅には工事で迷惑をかけるということで、菓子折り持参で挨拶に行っていましたが、私がその大きさに驚嘆するくらいですから近所の方もさぞ驚いたことと思います。

天候が小雨でしたので、FTI殿は家のカーポートにテントを張り、そこでアンテナの組立て、ケーブルの端末処理などを始めました。一方タワーの方もマストを通し、ロープを掛けるなどいよいよ建てる瞬間が近づいてきました。私は見ているだけです。そしてユニック車がタワーを持ち上げ、あっという間にアンカーのところへ移動してしまいました。タワー本体と家の軒先との間は10cmあるかどうかでしたが、ここもさすがプロです。見ていて安心です。そしてタワーはアンカーに固定されました。

クレーンでタワーを垂直に起こしているところ

クレーンでタワーを垂直に起こしているところ

アンカーにタワーが取り付けられ、クランクアップダウンのテストが始まります

アンカーにタワーが取り付けられ、クランクアップダウンのテストが始まります

アンテナ取付

タワー本体だけでの昇降テストも終わり、いよいよアンテナを上げるときが来ました。まず6mの8エレ八木です。エレメントのズレが解らないくらい綺麗に組みあがった8エレをロープでマストトップに一気に引き上げ、取付完了。次はHFのデュアルバンダーです。エレメントが長いのでブームの両端のエレメントだけブームに固定してマストに取り付け、残りの2本のエレメントをタワー上で取り付けていました。アンテナの取り付けもあっという間でした。

50MHzの8ELE CL6DXZ の組み立て中

50MHzの8ELE CL6DXZ の組み立て中

50MHzの8ELE CL6DXZ の引き上げ

50MHzの8ELE CL6DXZ の引き上げ

50MHzの8ELE CL6DXZ の取り付け

50MHzの8ELE CL6DXZ の取り付け

14MHzと21MHz用の214Aの取り付け

14MHzと21MHz用の214Aの取り付け

あとは同軸やローテータ、タワーのコントロールケーブルをシャックまで引き込んで終わりです。目立たないように綺麗に敷設してくれました。そして最後にタワーの操作方法とメンテナンスの説明を聞いて、午後3時過ぎには工事完了しました。

タワーを伸ばしているところ

タワーを伸ばしているところ

タワーを最大まで伸ばした状態

タワーを最大まで伸ばした状態

夢が現実に…

庭に立つタワーを自分のものだと思うと、顔がにやけるほど嬉しいものでした。また、今まで実家の屋根に立てたアンテナは全て自分で工事して、いつまでたっても倒壊の心配がつきまといましたが、初めてアンテナ建築のプロに依頼して、工事のときの安全と今後の安心感とが、素人の私がやったのとでは明らかに違うと確信しました。

今回、家を建てるときにタワーを建てるかもしれない場所の外壁にAC100Vの屋外コンセントを設けてあったこと、基礎の箇所に上下水道管を通さないようにしておいたことで、色々助かりました。また、アンテナやローテータなど全ての工事と手配をFTI殿にお願いしたことは、必要資材の有無による現場でのトラブル回避、スムーズな工事の進行ということにとっては正解だったと思います。(アンテナや同軸も自分でハムショップで買うよりは安かったようです)

この日の夜から早速HF、6mにQRVし、無線に再びはまっていきました。

少し離れたところから撮影

少し離れたところから撮影

ちなみにタワーを最下部まで縮めるとアンテナも大きく感じます。屋根の尖ったところとタワー本体のトップがほぼ同じ高さですので、HFのアンテナは屋根ぎりぎりです(回すとテレビのアンテナのステーに引っかかります)。

タワーのコントローラ FDC-78S

タワーのコントローラ FDC-78S

タワーのコントローラは下の写真のものです。FDC-78Sというタイプで、風が強くなるとタワーが縮むタイプではありません。プリセットというスイッチを押すと、あらかじめ設定している高さになります。(15mに設定しておけば、それより低いときはタワーは伸びて、それより高いときはタワーは降りてきます。結構便利なスイッチです)

タワーのメンテナンス

メンテナンスの項目

2005年9月にアンテナを変更する工事をFTI殿に依頼し行った際、タワーのメンテナンスも行ってもらいました。本来自分でメンテナンスできるのが良いのですが、たまたまアンテナ変更工事直後にローテータ故障に見舞われ、モーター部交換と共に依頼しました。メンテナンス項目は下記の通りです。

  1. ワイヤーたるみの直し、及びワイヤーへのオイル塗布
  2. タワー腐食(錆)部への亜鉛メッキスプレー
  3. モータギヤへのオイル注入
  4. Vベルト引張り
  5. プーリーの一部交換
  6. ロータリーエンコーダー(タワー高計測用)の交換
  7. ウインチ部ギア及びタワーユニット間へのグリスアップ

上記のうち5と6は確認時に問題があったため交換したものです。

作業の光景など

ワイヤーのたるみをとる作業は巻き取り部をかなりバラして人力でワイヤーを引っ張りなおすという作業でした。とても素人には出来ない作業に見えました。

ワイヤの緩みを直した後

ワイヤの緩みを直した後

プーリーは何箇所にも使用されていますが、そのうちの1箇所だけが下の写真のように片減りしており、これ以上減ると危険な状態にもなっていました。

プーリーの偏摩耗

プーリーの偏摩耗

ロータリーエンコーダーの交換は外観からは分からず、再セッティング時にタワーコントローラの高さ表示に障害がみられたことから発覚し、交換となりました。ワイヤーへのオイル塗布とタワーユニットへの亜鉛メッキスプレーはタワーを少し伸ばした状態で、最上段から徐々に下部へと作業をしていました。

午後2時ごろから6時ごろまでローテータの交換作業も含めてかかりましたが、お蔭様で安心して使い続けることが出来るようになりました。タワー建設から2年半後でのメンテナンスでしたが決して時期尚早ではなく、タイミングとしては良かったと感じました。ワイヤへのオイル塗布や亜鉛メッキスプレー、グリスアップは個人でも簡単に行えるので、これらのメンテナンスは自分自身で適宜行おうと思います。

履歴

  • 2006/03/12 タワーメンテナンスの項目追加